令和8年(2026年)4月1日施行の労働保険・社会保険関係法令の主な改正点を
実務上影響が大きいものに絞ってご案内いたします。
① 社会保険(健康保険・厚生年金)の改正
■ 扶養認定基準の明確化(いわゆる「130万円の壁」)
- 判定方法が変更
→ 「実績見込み」→「労働契約ベース」へ - 労働条件通知書等に基づき年収を算定
- 一時的な残業増などで収入が増えても、原則扶養継続可能
☆扶養判定のブレが減り、実務が標準化
■ 社会保険の適用拡大(段階的)
※4月時点は制度開始段階
- パート・アルバイトの加入対象拡大の流れ
- 企業規模要件の縮小・撤廃(段階的)
- 賃金要件(106万円基準)の撤廃へ向けた制度進行
- 週20時間以上勤務が重要基準に
☆ 「年収の壁」対策として大きな制度転換
② 雇用保険の改正
■ 雇用保険料率の引き下げ
- 令和8年度は前年度より引下げ
- 例(一般の事業)
- 労働者:5.0‰
- 事業主:8.5‰
- 合計:13.5‰
☆ 企業・労働者ともに負担軽減 001672589.pdf
③ 健康保険・社会保険料
■ 協会けんぽ保険料率の引き下げ
- 平均保険料率:10% → 9.9%
☆ 中小企業の負担配慮 令和8年度保険料率のお知らせ | 全国健康保険協会
■ 子ども・子育て支援金の徴収開始
- 社会保険料に上乗せして徴収開始(4月~)
☆ 実質的な負担構造の変化あり 子ども・子育て支援金制度について|こども家庭庁
④ 年金制度
■ 在職老齢年金の基準額引上げ
- 支給停止基準:
51万円 → 65万円
☆働きながら年金を受け取りやすくなります 在職老齢年金制度の見直しについて|厚生労働省
⑤ 労災保険
■ 労災保険料率
- 原則:据え置き(変更なし)
☆業種別料率は2024年改定が継続適用
令和8年度の労災保険率について(令和7年度から変更ありません)|厚生労働省
まとめ(実務ポイント)
令和8年4月改正の本質は次の3点です:
① 「年収の壁」対策の本格化
- 扶養判定の明確化
- 社会保険適用拡大の布石
② 保険料の微調整
- 雇用保険・健康保険は引下げ
- ただし新たな負担(子育て支援金)あり
③ 高齢者就労の促進
- 在職老齢年金の緩和
✅ ① 最優先(4月すぐ対応)
■ 雇用保険料率の変更対応
- 新料率へ給与計算ソフトを更新
- 4月支給給与から控除額変更
- 賞与計算の料率も確認
- 従業員への簡易周知(控除額変動)
☆ミスが最も起きやすい項目かもしれません
■ 健康保険料率の改定対応(協会けんぽ)
- 都道府県別保険料率を確認
- 標準報酬月額への反映
- 4月納付分から変更確認
■ 子ども・子育て支援金の徴収開始
- 保険料内訳の確認(実質増減把握)
- 給与明細の表示方法確認
- 従業員説明準備(問い合わせ対策)
✅ ② 重要(早めに対応)
■ 扶養認定基準の運用見直し(130万円の壁)
- 判定方法を「実績→契約ベース」に変更
- 労働条件通知書の記載内容チェック
- 扶養申請書・社内様式の見直し
- 人事・総務担当への運用教育
☆“見込み年収のブレ”によるトラブル防止が重要です
■ パート・アルバイトの社会保険適用確認
- 週20時間以上の従業員を抽出
- 月額賃金・契約期間を再確認
- 適用対象者の洗い出し
- 加入手続き漏れチェック
☆ 今後の適用拡大を見据えた整備が必要です

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