令和4年10月から改正となった大人気のキャリアアップ助成金「正社員化コース」の
主な改正点についてお話しますね。
今現在、令和4年10月の改正から半年を経過しており、
改正後初のキャリアアップ助成金申請が各会社から続々と都道府県労働局へ上がってきていると思われます。
都道府県労働局(厚生労働省)も審査に大忙しの状況では?と思われます。
キャリアアップ助成金は、審査に通れば受給が出来ます。
「受給要件に該当すれば当然に受給出来る」ということです。「落とすための審査」を
されているわけではないことです。
それでは主な法改正について基本を押さえていきましょう。
以下➀と②の用件を満たすことが必要です。
➀ 賃金について(額または計算方法)正社員と異なる雇用区分の就業規則の適用を
「6か月以上」受けて雇用している有期または無期雇用労働者
② 「昇給」 かつ
「賞与または退職金制度」のある正社員への転換
▼ R4.10月以降
入 社 6か月以上経過
非正規従業員 ➡ 正社員となったら➡ ➀ 固定的賃金3%アップ
基本給・賞与、退職金、各種手当 ② 「賞与または退職金の制度」
についていずれか一つ以上正社員と かつ「昇給」
異なる制度を定めていること
次に上記の制度を就業規則に明記する必要があります。
1.就業規則に明記するポイント
➀ 従業員の区分と定義を記載
キャリアアップ助成金は、非正規の従業員を「正社員」とする制度ですので
正社員と非正規従業員ではどのように労働条件が違うのかを明記する必要があります。
「雇用契約期間」は必ず明記する必要があります。
② 正社員と非正規従業員(契約社員・パート等)の基本給・昇給の違いを明記すること
〇 正社員、契約社員は月給制とし、パートについては時給制とする。
〇 昇給は、勤務成績が良好な正社員について毎年〇月〇日をもって行うものとする。
※非正規従業員について昇給を行わないのであればそれもきちんと明記すること。
✖ 会社が判断した場合は昇給を行う等の明記はしないで下さい。※客観的な昇給規程が必要です。
③ 賞与についての正社員と非正規従業員(契約社員・パート等)の違いを明記すること
正社員に対して支給する場合は「正社員に対して」と明記すること
非正規従業員(契約社員・パート等)について支給しないのであればその旨明記する必要があります。
賞与支給月、支給回数(年1回でも可)も併せて明記して下さい。
➃ 退職金について正社員と非正規従業員の違いがある場合は明記して下さい
2.キャリアアップ助成金申請手続きの注意点
➀ 就業規則の施行期日を確認
施行日から6か月以上適用されていることが必要です。
② 就業規則に改正後の要点が全て明記されていることが必要です。
③ 実際の昇給、賞与の支給が就業規則に規定されている通りに運用されているか
賞与は毎年〇月に支給すると明記されているのにもかかわらず、実際支給されていなければ
その理由を細かくチェックされる可能性があり、今後支給されたか追って照会が入る可能性も
0ではないと思われます。(賞与の具体的な金額は定められていませんが社会通念上の賞与
という考え方かと思われます。ここは各労基署へお問合せ下さいませ。)
➃ 雇用契約書と就業規則の内容が合致していること
などです。
「正社員」と「非正規従業員」との明確な区分、異なる賃金規定を
就業規則にきちんと落とし込むことが必須です。
詳細は厚生労働省の㏋をご確認下さい。
https://www.mhlw.go.jp/content/11910500/000923180.pdf
最初に申し上げたとおり、受給要件に該当すれば当然に受給出来る権利のある制度です。
ご参考になれば幸いです。
(キャリアアップ助成金正社員化コース)
1人あたりの助成金は以下のとおりです。
支給額 | 廃 止 | ||
有期雇用労働者 ➡ 正社員化 |
無期雇用労働者 ➡ 正社員化 |
➡ |
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中小企業 | 57万円 | 28万5,000円 | |
大企業 | 42万7,500円 | 21万3,750円 |