【職場のメンタルヘルス対策 令和7年改正について】
令和7年に成立した「労働安全衛生法及び作業環境測定法等の一部を改正する法律(令和7年法律第33号)」によって、ストレスチェック制度(職場のメンタルヘルス対策)にも変更・強化が入ることになります。
令和7年(2025年)に成立した改正法により、
従業員50人未満の事業場にもストレスチェックが義務化されることになりましたが、
✅ 義務化の「施行日」はまだ決まっていません(※2025年12月時点)
法律上の規定はこうなっています:
公布(令和7年5月14日)から3年以内に施行される
(=政令で定める日)
つまり、最も遅くても…
令和10年5月までには義務化が始まります
背景;現行制度のおさらい
現行のストレスチェック制度は、労働安全衛生法のもと、心理的負担の大きい業務に従事する労働者を対象に、事業者に「ストレスチェック」を実施する義務が課されており、従業員50人以上の事業場が対象とされています。従業員50人未満の事業場については「当分の間は努力義務」とされています。
ストレスチェック制度は、主に次のような流れで行われています:
- 質問票(心理的負担、職場環境など)を対象労働者に実施
- 高ストレスと判定された労働者には面接指導を行う(医師等による面接)
- 事業場全体の集団分析を行い、職場の改善措置を講ずる
このように、ストレスチェック制度は単なる個人の心理検査ではなく、職場全体(組織)を対象とした環境改善につなげることが目的とされています。
50人未満の事業場での課題と対応
今後、50人未満の事業場がストレスチェックを実施する際には、以下のような課題が挙げられます。
- 産業医が不在の事業場が多い
- 従業員数が少ないため、プライバシー保護が難しい
- 人的・経済的リソースが限られている
これらの課題に対し、厚生労働省は小規模事業場に適したストレスチェックの実施方法について検討を進めています。また、企業は自社での実施か外部委託かを決定し、実施体制の整備や面接指導・職場環境改善の体制づくり、結果の保存管理を行う必要があります。
✅ 義務化のメリット
ストレスチェックの義務化は、従業員と企業双方にメリットをもたらします。
- 従業員のメリット:
- メンタルヘルス不調の早期発見・予防
- 自身のストレス状態の把握(セルフケア)
- 専門家への相談機会
- 企業のメリット:
- 休職・離職防止
- 職場環境改善点の特定
- 企業イメージ向上
今後の対応;留意点
- 小規模事業場での実務負荷:従業員の少ない事業場での実施体制やコストをどう確保するかが課題となるでしょう。
- 委託先選定・運用体制:外部委託を行う場合、その機関の信用性・秘密保持体制を慎重に確認する必要があります。
- 教育・周知:従業員や管理職に対し、ストレスチェック制度の目的、実施方法、個人情報保護の取扱い等の説明を行う必要があります。
- 集団分析と改善措置の実施:ストレスチェックは「やって終わり」ではなく、集団分析を通じた職場改善が重要です。
- 法令・ガイドラインの動向把握:厚生労働省から実施マニュアルや通達、指針が出される可能性が高いため、これらを逐次チェックする必要があります。
令和7年改正によってストレスチェックが義務化される見込みの小規模事業場(従業員50人未満)を想定して、以下に実務対応のステップを整理します。
✅【前提】対象事業場かを確認
| 確認事項 | 内容 |
| 対象従業員数 | 常時雇用している労働者数が「50人未満」でも今後は義務化対象に(令和10年までに施行見込み) |
| 従業員の範囲 | パート・アルバイトも「週所定労働時間が正社員の4分の3以上」なら含まれる |
🧭 実務対応ステップ(中小・小規模事業場向け)
ステップ①:現状把握と社内体制の検討(早期準備)
| 内容 | ポイント |
| ● 法改正の内容を整理 | 施行日・対象・報告義務の有無を確認(※現時点では報告義務は課されない見込み) |
| ● 衛生委員会がない場合の体制確認 | 労働者の意見を反映できる場(例:労使協議の場)を準備 |
| ● 実施者・外部委託の検討 | 自社でやるか、医師・外部機関に委託するか(委託が現実的) |
ステップ②:外部委託先の選定と契約
| 内容 | ポイント |
| ● 委託先を探す | ストレスチェック実績のある産業医機関、EAP機関、衛生管理支援業者など |
| ● 契約内容の確認 | 情報の機密保持・データの管理責任が明確か?法対応できる体制か? |
| ● 見積とコスト確認 | 目安:1人あたり1,000円前後(簡易なWeb実施の場合) |
ステップ③:社内ルール・周知・実施準備
| 内容 | ポイント |
| ● 社内ルールの整備 | 実施時期・方法、情報の取扱い、面接指導の基準などを文書化(就業規則または内規) |
| ● 労働者への周知 | 実施目的、個人結果の取扱い、希望者には面接指導があることを事前に説明 |
| ● 実施者の選任(医師等) | ストレスチェック結果の評価・判定を行う者(医師・保健師など) |
ステップ④:ストレスチェック実施(年1回以上)
| 内容 | ポイント |
| ● 実施方法 | 紙またはWeb(Webの方が集計が容易・コスト低め) |
| ● 質問票 | 通常は厚労省の「職業性ストレス簡易調査票(57項目)」を使用 |
| ● 高ストレス者の判定 | 実施者(医師など)が基準に基づき判断 |
ステップ⑤:面接指導・職場改善
| 内容 | ポイント |
| ● 面接指導の実施 | 高ストレス者が希望した場合、医師による面接指導を実施(労働時間・職務内容の見直しなど検討) |
| ● 職場改善の検討 | 集団分析(部署ごとの傾向分析)をもとに、職場環境改善の提案をまとめる |
| ● 改善結果の周知・実行 | 労使で協議し、改善策を実行・フォローアップ |
ステップ⑥:記録保存と次年度への改善
| 内容 | ポイント |
| ● 記録の保存 | 実施記録・結果(個人データは匿名で)→5年間保存義務あり |
| ● 改善点の洗い出し | 実施後に課題や改善点をまとめ、次年度以降に反映 |
| ● 実施報告(※) | 50人未満の事業場は報告義務なしの方向だが、任意での報告も可能 |
✅ 現時点での結論
| 内容 | 回答 |
| ストレスチェック義務化の対象拡大(50人未満) | ✔ 決定済み(法改正済) |
| いつから義務化される? | ❗ 「令和10年5月」で、具体日はまだ未定 |
| 今やるべきこと | 🔹早めに外部委託先の検討・体制づくりを進めておくと安心 |
【参考資料】
ストレスチェック等の職場におけるメンタルヘルス対策・過重労働対策等
ストレスチェック等の職場におけるメンタルヘルス対策・過重労働対策等|厚生労働省
【厚生労働省】ストレスチェック制度 導入マニュアル
医師による面接指導(マニュアル等)
まとめ
従業員が50人未満の企業であってもストレスチェックの実施、メンタルヘルス対策は重要な課題です。ただし・・・産業医がいないと、ストレスチェック後の面談や、休職・復職時のサポートなど、メンタルヘルスに関する専門的な対応が難しくなることがあります。
従業員の健康問題が放置されると、体調不良による生産性の低下や休職者の増加につながりかねません。また、健康管理への配慮が不足している企業と認識されると、離職率の増加や採用活動への悪影響も考えられます。
それでは、産業医選任義務がない50人未満の企業でも、従業員の健康管理のためにいくつかの対策をご提案させて頂きます。
・嘱託産業医の活用:定期的な訪問やオンラインでの相談を通じて、産業医に健康管理のサポートを依頼できます。
- 地域産業保健センターの活用:地域産業保健センターでは、無料で健康相談や産業保健に関する助言を受けることができます。健康診断後の意見聴取や就業判定で利用することも可能です。
- 地域産業保健センター | 東京産業保健総合支援センター
ご参考されて頂ければ幸いです。
ありがとうございました。
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KAORIさん家のミンちゃんです💠
「ストレス・・・? ワタクシの辞書には載ってなくってよ・・・💤 💤 💤」
