「うちの会社にも関係あるのかな?」
そう思われている中小企業の事業主の方は少なくありません。
2026年10月から始まるカスタマーハラスメント防止対策の義務化は、実は、
『従業員を守り、働きやすい職場をつくるための取り組み』
です。決して難しい制度ではなく、ポイントを押さえれば無理なく対応できます。
この記事では、
- カスハラの定義と実態
- 対策によって予想される効果
- 基本防止措置4項目と具体的な内容
- カスハラの特徴的な防止措置2項目と具体的な内容
- まとめ
についてわかりやすくまとめました。
1.カスハラの定義と実態
まず、今回の防止措置の対象となるカスタマーハラスメントの定義を正確に把握しましょう。
カスタマーハラスメントは、改正労推法33条1項を受けて、指針で
「①顧客等の言動であって・・・②社会通念上許容される範囲をこえたものにより、③労働者の修行環境が害されるものであり、①から③までの要素をすべて満たすもの」
とされています。
また、指針ではこれらの定義を満たす典型例として以下の9つの類型をあげています。

では、次にカスタマーハラスメントの実態についてみてみます。
厚生労働省の「職場のハラスメントに関する実態調査」(2024年5月公表)によると、

実際には発生しているのに対策が進んでいないという状況になっていることがわかります。
2.対策によって予想される効果
このような実態に対して、対応することが「望ましい」とされてきましたが、
「義務」ではないため、「手が回らない」と言われる事業主もいらっしゃいますが、
どの職場でも対策が行われるようになれば、
従業員が安心して働けるようになり、職場環境の改善や離職率の低下にもつながり、事業主にとっても良い効果が期待できます!!

3.基本防止措置4項目と具体的な内容
カスタマーハラスメントの防止措置の基本内容は4つあります。

では、次に①から順に具体的な措置方法をご紹介します。
①方針の明確化と周知・啓発
基本は、「毅然と対応し、従業員を保護する旨の方針を明確化」することです。そして、カスハラの「内容」と「対処の内容(ルールやマニュアル)」を従業員が理解できるように研修やマニュアルの配布が必要となります。
②相談体制の整備
相談窓口を設置する、相談担当者を決めておくことです。
この相談先の決定については、パワハラ等の既存の窓口や担当者にするのか、より顧客に近い営業関係の部署とするのか等、企業の業種や業態も踏まえて、検討します。また、窓口や担当者を決めて終わりでなく、適切な対応のための担当者研修も合わせて必要になります。
③発生時の迅速・適切な対応
発生時は「事実の迅速かつ正確な確認」から始まります。
確認ができた場合は、
被害者への配慮(行為者との接触をさけるための担当変更など)を行い、
必要に応じて再発防止措置を講ずることまでが義務になります。
管理職がその場で対応することが難しい場合もあります。その場合は、従業員から丁寧に話を聞き、確認を進めることになります。
このような対応するときには、特に「メンタル面に留意すること」が必要です。
④プライバシーの保護、不利益取り扱いの禁止に関する周知・啓発等
カスハラについて相談した従業員のプライバシーを保護し、また相談したことによって不利益を被ることのないように、就業規則に規定する、マニュアルの整備や研修の実施を行う、パンフレットや社内サイトを活用するなどの環境を整える必要があります。
以上の4項目は、基本的な内容ですが、カスハラに関してはこれら以外に特徴的な追加項目が2点あります。
では、次にその2点をご紹介します。
4.カスハラの特徴的な防止措置2項目と具体的な内容
なぜ、カスハラについては、追加2項目があるかというと、行為者が外部に存在するからです。

①BtoBの関係でカスハラが発生した場合
行為者が取引先であっても対応しないことは防止措置の義務違反にあたります。
発生したときは、行為者側の企業に「必要に応じて、他の事業主に事実関係の確認への協力」や「再発防止に向けた措置への協力」を求めることができます。
行為者側の企業も、努力義務ではあっても、法的なレベルでの協力が求められます。
②特に悪質なカスハラに関する、カスハラ自体の抑止
これは、特に悪質と考えられるものへの対処の方針をあらかじめ定めて、対処を行うことができる体制を整備する必要があるというものです。
具体的な対処例としては、警告文の発出、警察への通報(犯罪に該当しうる場合)、商品の販売やサービスを提供しない(法令の制限内)、出入り禁止などがあります。
5.まとめ
ここまで、「カスハラとはなにか?」から始まり、カスハラ防止の対策することによるプラス効果について、そして具体的な予防措置の方法をご紹介しました。
厚生労働省の調査によると、接客頻度が高い業種ほどカスハラを経験した従業員の割合が高いとの報告もあります。
そのため、事業主様の中には、
・「自社にあった適切な措置方法が知りたい」
・「この措置で十分なのか心配」
などのご不安を抱えられる方もいらっしゃると思います。
そんなご不安は、ぜひ私たちにお聞かせください。
弊社のモットーは「士業はサービス業!」です。より現場に寄り添った実務的な支援を心がけています。
きっとお役に立てることがあります!
一緒に不安を解消し、従業員が安心して働ける職場作りを進めていきましょう!
皆様の事業のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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