退職者への対応

10月も半ばに差し掛かり、台風もやってきて寒くなってきましたね。

東京は大雨で、雨風の音がすごいです。

さて、企業も10月に組織改編をされる企業も多く、人の異動、出入りも激しくなっている企業もあるかと思います。

そんな中、先ごろ顧問先の会社で65歳すぎでお辞めになる方がいらして、その方の退職手続きを進めています。

ただ単に無機質に退職手続きをするだけではなく、その方が今後必要な情報を提供するのも、我々社労士の重要な仕事の一つと捉えていますが、例えば、その方は65歳すぎているため

①年齢的に雇用保険は外れているが、(天引きされていないが)失業手当は少しは出るのか
②今後健康保険と厚生年金を外れるわけだが、この後の保険は何が得か

といったことを気にされていました。
そこで、①に関しては、一時金ではあるが、50日分の失業手当がもらうとえること、②に関しては、「任意継続被保険者」という形で2年間今の健康保険を使用できる(ただし、今まで会社側が負担していた分は自らが負担しなければならない)が、国民健康保険と任意継続被保険者とえしての健康保険で、どちらがいいかは、市役所で試算してもらえるはずだから今すぐ試算にいってください、とお伝えしました。

その方にしても「退職後に読む本」といったツール本はすでに読まれていたようなので、普通より意識の高い方ではあったのですが、そのツール本には、任意継続被保険者にしたほうが得だとしか書かれていなかったようです。どちらが金額的負担が少ないか、はその人により異なります。ですので、そういう時に私たちみたいな社労士、もしくは公的機関にお問合せしてほしいのです。
(ちなみに一般的には、退職時の年収が高い人ほど、任意継続被保険者にしたほうが得なことが多いです。理由は長くなるのでここでは割愛します)

その方は、その本のとおりに任意継続被保険者を当初望まれていましたが、試算により、国民健康保険のほうが割安だったため、そちらを選択しました。

企業にとって、退職者のケアというのは軽視されがちです。しかしながら、「この企業はしっかり最後してくれたな」という好印象をもって気持ち良く退職していただくほうが、退職者のみならず企業にとっても絶対的にいいのです。悪評はいつしか広まります。その悪評が、今後いい人材を採用する際の足枷となってしまっては勿体ないです。
助成金制度など企業にとってメリットがある制度だけで社労士に相談していただくのではなく、そうした細かいある意味地道な所でも我々社労士を使っていただければと思っています。

写真は先日雨の中降雨コールドで勝ったクライマックスシリーズのカープの試合の応援です。非常に寒かったです!