人を育てることの難しさ

労務管理を依頼されている会社さんに、よく頼まれることが、人の教育に対するマニュアルを作成してください、ということ。
これは、実は人事労務の仕事の中でも最も難しいことの一つ、といえます。

なぜなら、その会社、会社によってマニュアルが違うからです。
その会社には「カラー」があります。例えば丁寧さより、より活発さが求められる社風、であるとか、逆に丁寧さ・慎重さが問われる会社であったり。

ただ、社風は勿論ございますが、ある程度職種によって求められるものも変わってきたりしますので、ここにマニュアル作りのヒントがありそうです。

例えば最近当方で受けた事例として、受付事務を育てたいという会社さんがありました。
受付事務の仕事をやるにあたって、最も重要な態度は「新しい発想」や、「チャレンジする精神」なのでしょうか?
違いますよね。受付事務という職種にマッチする態度は「礼儀正しい態度」や、「丁寧な接客」であることは、誰の目に見ても明らかでしょう。

稀に、受付としては今一力を発揮できないけれども、新しいアイディアを発想する力はすごい、といった従業員もいらっしゃいます。管理する側はその方にあった適材適所に人材を配置することがかなり重要な仕事、ともいえます。

たとえ、今までチャレンジしたことのない仕事であれど、その人が持つ適正を見極めたら、例えばキャリアアップ助成金の教育訓練コースを用いて、その職種を教育しながら育てる、そういったことも出来ます。

この人は何をやっても駄目だ、という風に人を育てるのが難しいと嘆く前に、その人をいかに適正な部署で仕事をしてもらうか、そういった見方をしていくと、従業員への接し方も変わってくるのかもしれません。