職場におけるセクハラ対策に取り組みましょう!
職場でのハラスメントは、被害者の従業員の能力発揮を阻害されること、周囲の従業員へも悪影響を及ぼすこと、問題が深刻化すると会社が裁判で訴えられる可能性などのリスクもあり、会社の社会的信用を著しく損なう事態になりかねません。
昨今のフジテレビ問題もスポンサーが続々と離れ、問題の深刻さが浮き彫りになっています。
今回は、厚生労働省パンフレットから、『職場におけるセクシュアルハラスメント対策に取り組みましょう』
に関する内容をご案内させて頂きます。
職場におけるセクシュアルハラスメントとは
「職場におけるセクシュアルハラスメント」とは?
職場におけるセクシュアルハラスメントは、「職場」において行われる、「労働者」の意に反する「性的な言動」に対する労働者の対応によりその労働者が労働条件について不利益を受けたり、「性的な言動」により就業環境が害されることです。
職場におけるセクシュアルハラスメントには、同性に対するものも含まれます。
また、被害を受ける者の性的指向(人の恋愛・性愛がいずれの性別を対象とするか)や性自認(性別に関する自己意識)にかかわらず、「性的な言動」であれば、セクシュアルハラスメントに該当します。
⁂「職場」とは
事業主が雇用する労働者が業務を遂行する場所を指し、労働者が通常就業している場所以外の場所であっても、労働者が業務を遂行する場所であれば「職場」に含まれます。
勤務時間外の「懇親の場」、社員寮や通勤中等であっても、実質上職務の延長と考えられるものは「職場」に該当しますが、その判断に当たっては、職務との関連性、参加者、参加や対応が強制的か任意かといったことを考慮して個別に行う必要があります。
⁂「職場」の例⁂
🔵通常の勤務場所 🔵出張先 🔵取引先の事務所 🔵顧客の自宅 🔵取材先
🔵業務で使用する車中 🔵取引先と打ち合わせをするための飲食店(接待の席も含む)
🔵勤務時間外の懇親会・アフターファイブの宴会 など(実質上職務の延長上と考えられるもの)
⁂「労働者」とは
正規雇用労働者のみならず、パートタイム労働者、契約社員等いわゆる非正規雇用労働者を含む、事業主が雇用する全ての労働者をいいます。
また、派遣労働者については、派遣元事業主のみならず、労働者派遣の役務の提供を受ける者(派遣先事業主)も、自ら雇用する労働者と同様に、措置を講ずる必要があります。
⁂「性的な言動」とは
性的な内容の発言および性的な行動を指します。
⁂「性的な言動」の例⁂
- 性的な内容の発言
性的な事実関係を尋ねること、性的な内容の情報(噂)を流布すること、性的な冗談やからかい、食事やデートへの執拗な誘い、個人的な性的体験談を話すこと など
- 性的な行動
性的な関係を強要すること、必要なく身体へ接触すること、わいせつ図画を配布・掲示すること、強制わいせつ行為 など
・性的な言動を行う者は
🔵社長、上司、同僚に限らず、取引先等の他の会社の社長、又はその会社の従業員、顧客、患者又はその家族、学校における生徒等もなり得ます。
🔵男性・女性ともに行為者にも被害者にもなり得ますし、異性に対するものだけではなく、同性に対するもの
も該当します。
🔵性的な言動をする行為者が、取引先など「社外」の労働者である場合や顧客であるような場合も、行為者が社内の場合と同様の対応が求められます。 なお、自社の労働者が取引先の労働者や顧客等へのセクシュアルハラスメントの行為者にならないよう、合わせて周知することが望まれます。
🔵被害を受ける者の性的指向や性自認にかかわらず、「性的な言動」であれば、セクシュアルハラスメントに該当します。
※「ホモ」「オカマ」「レズ」などを含む言動はセクハラ発言となる可能性もあります。
また、性的性質を有する言動はセクシュアルハラスメントに該当します。
「職場におけるセクシュアルハラスメント」の内容
「職場におけるセクシュアルハラスメント」には『対価型』と『環境型』があります。
『対価型』セクシュアルハラスメントとは?
労働者の意に反する性的な言動に対する労働者の対応(拒否や抵抗)により、その労働者が解雇、降格、減給、労働契約の更新拒否、昇進・昇格の対象からの除外、客観的に見て不利益な配置転換などの不利益を受けることです
⁂典型的な例⁂
🔵事務所内において事業主が労働者に対して性的な関係を要求したが、拒否されたため、その労働者を解雇すること。
🔵出張中の車中において上司が労働者の腰、胸等に触ったが、抵抗されたため、その労働者について不利益な配置転換をすること。
🔵営業所内において事業主が日頃から労働者に係る性的な事柄について公然と発言していたが、抗議されたため、その労働者を降格すること。
『環境型セクシュアルハラスメント』とは?
労働者の意に反する性的な言動により労働者の就業環境が不快なものとなったため、能力の発揮に重大な悪影響が生じる等その労働者が就業する上で看過できない程度の支障が生じることです。
⁂典型的な例⁂
🔵事務所内において上司が労働者の腰、胸等に度々触ったため、その労働者が苦痛に感じて、その就業意欲が低下していること。
🔵同僚が取引先において労働者に係る性的な内容の情報を意図的かつ継続的に流布したため、その労働者が苦痛に感じて仕事が手につかないこと。
🔵労働者が抗議をしているにもかかわらず、同僚が業務に使用するパソコンでアダルトサイトを閲覧しているため、それを見た労働者が苦痛に感じて業務に専念できないこと。
判断基準
セクシュアルハラスメントの状況は多様であり、判断に当たり個別の状況を斟酌する必要があります。また、「労働者の意に反する性的な言動」及び「就業環境を害される」の判断に当たっては、労働者の主観を重視しつつも、事業主の防止のための措置義務の対象となることを考えると一定の客観性が必要です。
一般的には意に反する身体的接触によって強い精神的苦痛を被る場合には、一回でも就業環境を害することとなり得ます。継続性又は繰り返しが要件となるものであっても、「明確に抗議しているにもかかわらず放置された状態」又は「心身に重大な影響を受けていることが明らかな場合」には、就業環境が害されていると判断し得るものです。
また、男女の認識の違いにより生じている面があることを考慮すると、被害を受けた労働者が女性である場合には「平均的な女性労働者の感じ方」を基準とし、被害を受けた労働者が男性である場合には「平均的な男性労働者の感じ方」を基準とすることが適当です。
職場におけるセクハラ対策は事業主の義務です
職場におけるハラスメントを防止するために、事業主が雇用管理上講ずべき措置が、法及び指針に定められています。事業主はこれらを必ず実施しなければなりません(実施が「望ましい」とされているものを除く)。
これらの措置は、業種・規模に関わらず、すべての事業主に義務付けられています。
1.事業主の方針の明確化及びその方針を周知・啓発
・職場内のハラスメントの内容・セクシュアルハラスメントを禁止する旨の方針を明確化し、従業員全員に周知、啓発すること。(社内報やパンフレットなどを作成し閲覧できるようにして下さい。)
- セクシャルハラスメントの行為者については厳正に対処する旨の方針、対処の内容を就業規則において明確化し(懲戒の対象となる場合もあることを明記)従業員全員に周知・啓発をすること。
※ハラスメント規程に不備があれば就業規則に規程を追記する必要があります。
2.相談、苦情に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
- 相談窓口をあらかじめ定めること。
- 相談窓口担当者が内容や状況に応じ適切に対応すること。また広く相談に対応すること。
※社内で対応困難な場合は社外の外部機関の対応も可能。外部委託先として社会保険労務士等でも可能です。
3.相談があった場合、事実関係を迅速かつ正確に確認し、被害者及び行為者に対して適正に対処するとともに、再発防止に向けた措置を講ずること
- 事実関係を迅速かつ正確に確認すること。
- 事実確認ができた場合には、速やかに被害者に対する配慮の措置を適正に行うこと
- 再発防止に向けた措置を講ずること(事実確認出来なかった場合も同様)
4. 上記1から3までの措置を併せて講ずべき措置
①相談者・行為者当のプライバシーを保護するために必要な措置を講じ、周知すること。
②相談したこと、事実関係の確認に協力したこと等を理由として不利益な取り扱いを行ってはならない旨を定め、労働者に周知・啓発すること。
これらの措置は、業種・規模に関わらず、すべての事業主に義務付けられています。
厚生労働省HPより抜粋 (事業主向け)セクハラリーフ完成版
職場におけるハラスメントの防止のために(セクシュアルハラスメント/妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント/パワーハラスメント|厚生労働省
(最後に)
セクハラ対策として外部の機関を使って管理職に対してセミナーを受講させるなど、従業員に対して職場におけるハラスメントに関する意識を啓発するための研修、講習等を実施することも非常に有効です。
弊社はハラスメント研修についても数多くのご依頼を頂いています。
専門家である社会保険労務士が講師を務めるセミナーへの参加などをご検討下さりハラスメント防止に向けて積極的に取り組んでいきましょう。
それではご拝読頂きありがとうございました。
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短い間にスクスク成長してすっかり大人になったミントちゃんです。