傷病手当金改正

今回は、健康保険の保険給付の一つ「傷病手当金」の改正情報に関するお話です。傷病手当金のキモとしては、支給開始日から1年半でうち切られるという点にありますが、今回はその詳細の改正がありました。

詳細は下記となりますね☆

 

傷病手当金の支給期間の通算化             2022年1月1日施行

健康保険法の一部が改正され、傷病手当金の支給期間が通算化できるようになります。

現行法では、傷病手当金の支給期間は、支給開始日から起算して1年6ヵ月を超えない期間とされています。改正により、支給開始日から通算して1年6ヵ月を経過した時点まで支給するものとされます。出勤に伴い傷病手当金が不支給となった期間があるとき、その期間分を延長して支給されるようになるのです。

     出所:厚生労働省

 

傷病手当金は、健康保険の被保険者等が業務外の傷病で労務に服することができず十分な賃金が支給されないときに、療養中の所得保障として支給される給付金です。

厚生労働省保険局の発表によると、2017年度の傷病手当金の支給件数は187万件、内訳は協会けんぽ106万件、健保組合70万件、共済組合11万件でした。協会けんぽにおける傷病手当金の疾病別構成割合を見ると、精神疾患が3割、新生物(がん)が2割を占めています。さらに、労働人口の3人に1人が何らかの疾病を抱えながら仕事をしており、治療のために離職する人が一定数存在することが報告されています。

 

病気の治療と仕事の両立を図る観点から、傷病手当金の支給期間の要件が見直されることとなりました。傷病手当金は労務不能となった日から連続3日を経過した日(休業4日目)から支給され、最長1年6ヵ月支給されます。これは1年6ヵ月分が支給されるということではありません。がん治療など入退院を繰り返すような場合、一時的に職場復帰した期間については、傷病手当金は支給されません。そして、傷病手当金の支給の有無にかかわらず、支給開始日から1年6ヵ月を経過すると打ち切られます。

 

改正により、出勤に伴い傷病手当金が不支給となった期間については、その期間を延長して受けられるよう、支給期間の通算が可能となります。つまり、実際に傷病手当金の支給を受けた期間を通算して1年6ヵ月まで傷病手当金を受けられるようになるのです。

 

傷病手当金は、様々なシーンで役立つ仕組みです。当事務所でもこちらの代行請求を顧問先様よりご依頼していただくことも多いです。

 

また、当事務所としては障害年金の代行請求も行っているため、傷病手当金でまかなえなかったところは、障害年金の代行請求のご相談にものらせていただいております。

 

従業員の方にとっても、安心して働ける環境を一緒につくっていきたいですね☆